短 歌の本を読んでいると、結社というキーワードがとにかくよく出てくる。短歌という社会で暮す以上、結社に入っているのは当然のことで、結社に入っていないことは住所不定無職みたいなものであるらしい。 別に僕は短歌という社会で生きていこうとは思っていないが、短歌を褒められたい気持ちは人一倍強いので、結社に所属している輩ばかりがその権利を持っていることに、なんとなく忸怩たる思いがある。たとえそれが、結社に所属している輩が結社に所属している輩を褒める、結局はマスターベーションの亜種に過ぎないのだとしてもだ。 しかし結社とは集団だ。チームだ。コミュニケーションだ。それがまずどうしたって無理だ。この半年あまり筋トレに傾倒して、のっぺらぼうみたいだった体に、それなりに筋肉がついたわけだけど、そういう体験を通しての実感を得て、そして思ったこととして、僕の人付き合いの筋力は、ぜんぜん使わないものだから衰えて衰えて、今ではもう途轍もなく弱まっている。人生のピーク時でさえせいぜい原付くらいだったのに、今はもうチョロQレベルだ。だから集団に飛び込んだら、たぶん、死ぬと思う。きゅう、と切ない声を放って死ぬと思う。 また大学時代に実体験があるので確かなこととして、僕は人と実際に顔を合わせた状態で自分の作品を発表するのが、恥ずかしくてできないのだ。なんでみんなできんの? と思う。人前で喋ったり唄ったりするのはわりと平気なのだが、創作品となると急に照れて、なにも考えられなくなるし、発表できなくなる。なんとかわいらしい生き物だろうか。 さらにはそんな障害を乗り越えて結社に参加したとして、いちばん問題になるのが作風だ。僕はちんこと女の子のことばかり詠むので、たぶん他の人が怒るだろうと思う。「ふざけるなら帰れ」とかきっと言われる(なんだか宮下草薙みたいになってきた)。違うんだ。僕は本気なんだ。本気で僕の創作テーマはちんこと女の子なのだ。これまでそればかりをひたすら詠んできたし、これからも間違いなくそればかりをひたすら詠む。こんな僕を受け入れてくれる結社はたぶんない。 ないなら作ればいいではないか、とまたいつものように思った。エロ短歌専門の結社を、ネット上で立ち上げればいい。ネット上の結社なんて画期的ではないか、とファルマンに語ったら「そんなもんはもういくらでもある」といわれた。 し...