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鰻と老人と僕

   風が吹きバイパス沿いの店々の幟はためき逃げられない「う」  丑の日に鰻を食べる人々がテレビに映りすべて老人  我々は絶滅危惧種を食い尽くすドードー鳥もネアンデルタール人も  老人に精力がついて長生きし我々は弱り鰻は死滅  老人は鰻食みつつこう述べる「持続可能な社会など無い」  三千円や四千円する鰻重を老人が食い回る経済  本当は鰻が絶滅しようがしまいがどちらでもいいと思っている  鰻が本当は食べたいのに高くて手が出ないから食べている老人がただ憎いのだ  そのため意識の低さみたいな理論武装をし鰻を食べることを批判している  老人が鰻を食べる夏の日に僕らは鰺の干物を食べる